退職代行を使って退職する場合、引継ぎや私物の持ち帰りはどうしたらよいのか。
そういったお悩みがある方が多いと思います。
明日から会社に行きたくないから明日退職代行を使おう
もしくは
1か月後、あるいは2か月後に代行を使って退職しよう
という方もいるかと思います。
実際に退職代行サービスを使って退職した僕が、それぞれのパターンに当てはめて説明いたします。
どうしても明日にでも退職したい方
まず最初に、このような状況の方に向けてお話しします。
非常に精神的に追い込まれている状況が考えられます。
こんな時でも退職代行サービスを使って即日退職は可能ですが、引継ぎや私物の処理は出来ないと考えられます。
どうするか。
引継ぎ
本来は就業規則に引継ぎ事項についての記載がありますが、たとえ記載があっても、作れる状況ではないので、作らないこととなります。
残った人が困ると思いますが、あなたがこういった状況に追い込まれたのは会社側にも責任があるわけで、そういったことを代行業者に伝え、退職理由として上司なりに伝達してもらうようにしましょう。
いずれにしても退職理由は代行会社が必ず聞いてきますが、会社側としては
理由がどうであれ、引継ぎをしてもらわないと非常に困る
会社側から求められる可能性もあるので、可能な範囲で自宅で作成し、代行業者を通して上司に送ってもらいます。(会社からの連絡の場合は出なくていいです)
パソコンがない方はラインで代行業者に送って、それを退職する会社に伝えてもらうわけです。
現在進行中の○○についてはここまで進んでいて、あとはこうしてください
○○の使い方はこうです。
投げやりに思えるかもしれませんが、ご自身の置かれている状況から鑑み、仕方が無いことです。
会社から訴えらえると思われるかもしれませんが、そういう方は過去に重大な不正や過失をし、会社に損害を与えた方ですので、そうでない場合は訴訟問題に発展することはあり得ませんし、その後
直接のやり取りはしなくていいです
代行業者を通しましょう
ですので、事前にそういったことが可能かどうか、代行業者に確認が必要です。
ですが、だいたいは可能です。
この場合、民間業者や労働組合の代行業者よりも弁護士に代行業務を頼するほうがお勧めです。
確かに法的には2週間以上前から退職する旨を伝えれば会社を退職出来ます。
それより短い期間で退職することは法的にできませんが、やむを得ない事由がありましたら退職は可能です。
「民法628条」の「やむを得ない事由」に沿って、即日退職を進めていただくように交渉が可能です。
やむを得ない事由とは
・心身の障害や疾病
・両親や子供の病気の介護など
個人的な主観ですが、民間業者や労働組合では少し弱いです。
可能と言えば可能なんでしょうけど、僕としても責任が持てないので、弁護士さんをお勧めします。
弁護士からの依頼であれば会社側も要求を吞まざるを得ないと思う可能性が高くなります。
ちなみに僕の以前勤めていた職場で、弁護士さんを使って退職した従業員がいます。
入社2年目の方で、有給休暇自体ほとんど無いはずなので、即日退職しております。
私物
代行業者に送ってもらうように依頼しましょう。
例えば
・下足(内履きなど)
・衣類(スーツなど)
・電卓
・その他
一端は着払いで送ってくると思いますが、追加で他に送るものが発生しますので、何回かに分けて送られてきます。
(離職票、源泉徴収票など)
返却物
会社から貸与されているものは会社に返さないといけません
制服、社員証、保険証などは退職後に返却しましょう。
レターパックで送れる範囲であれば、退職後に送ることとなりますが、「会社のパソコンを持ち帰ってしまった」など、大きな荷物があった場合は段ボールを集めて梱包して運送会社を使いましょう。
制服は会社のロッカーに置いてきてしまった
クリーニングしてない、どうしよう
会社に任せましょう。心配しないでください。
ご自宅に段ボールが無い場合、有料ですが、運送会社や郵便局で販売しております。
好きなサイズを選んで荷物を詰めてガムテープで封をして元払いで送りましょう。
(元払いとは、こちらが送料を負担することを言います。反対は着払いです)
郵便局、ヤマト運輸、佐川急便の営業所に行けばそれらの伝票はありますが、近くに無い場合は運送会社に連絡して来てもらうときに伝票が無いことを伝えて持ってきてもらいましょう。
確認したことは無いですが、段ボールを持ってきてもらうのは難しいかと思います。
退職までに一定の猶予のある方
引継ぎ
ここからは退職代行サービスを実施するまでの間に、引継ぎの作成等ができる余裕のある方に向けてお話しします。
就業規則を確認
先ほども記載しましたが、確認しましょう。
「退職」の項目にきっとそれらが書かれています。
とはいえ、書かれていようが、書かれていまいが、作っておくことをお勧めします。
仮に退職代行サービスに依頼せず、直接上司に言って退職する場合も、引継ぎはするのではないでしょうか。
口頭はもちろん、書面でも。
ですので、退職代行サービスを使う時は書面で作成することとなります。
嫌いな会社に対して引継ぎなんかしたくない
ほっておけば良いよ!
気持ちは分かりますが、一応社会人として可能な範囲で作ることをお勧めします。
A4用紙1枚でもいいので一応姿勢くらいは見せておきましょう。
それに、引継ぎ書類が無い場合、残った人が困り、あなたに連絡を取ろうと試みるかもしれません。
僕も不本意ながら作ったのですが、そのおかげで会社から業務については何も聞かれませんでしたし、電話連絡は来ませんでした。
(引き留めるために手紙は来ましたが・・・。)
もし作っていなかったら
上司 → 代行会社(僕の場合は弁護士さん) → 自分 → 代行会社 → 上司
という順番で電話がかかって来て、嫌な思いをしながら作って、また代行会社に連絡して上司に・・・。
話がややこしくなって気分を害す可能性もあります。
場合によっては情が会社に移ってしまうこともあり得ない話では無いですよ。
ですので念のため作っておいた方がよいかと思います。
ちなみに、引き継ぎ書を作るだけで良いとの考えは無責任と思われるかもしれませんが、そうとも限らない場合があります。
以下の参考記事の「口頭よりも書面の方が伝わりやすい」という見出しに理由が書いてあります。
どんな風に作ればいいですか?
箇条書きでもいいですし、特に縛りはないです。
会社に引継ぎ用の書式があればそれに従いますが、退職代行サービスを使う場合は自分で作成する必要があります。
仮に会社から書式を送ってもらえるとお考えでしたら、それはお勧めいたしません。
会社側が依頼者とやり取りができると思ってしまいますし、お互い気まずい状況ですから、先に作っておくことをお勧めします。
相手に伝わればよいと思いますが、そんな考え込むほどの立派なものは作ろうと思わないことです。
必ず引き継がれた人はどこか抜けている部分に後々気が付くので
最低限のことを書けばよいです
めっちゃ適当ですが、よろしければ参考にしてください。
家にパソコンが無ければ便せん用紙に手書きでも良いです。
もし項目が多い場合はエクセルで作っても良いです。
エクセルの下にあるシートに「項目」を作って、あとは上のように作っておけばいいんじゃないでしょうか。
パソコンのどこそこのフォルダにある旨を、代行会社に伝えておくことをお勧めします。
僕はそうしました。
代行実施当日に退職届を郵送したのですが、念のため送付状にもそのことを明記しておきました。
本当にめっちゃ適当な引継ぎ書に見えますが、公に出す書類でもないですし、これに対して連絡は来ないです。
これで十分でしょう。
ネットでは引継ぎのテンプレートが散見されますが、ネットで出すからには適当に作れないので、割としっかりしているように見えると思います。
上記のような簡単なもので良いです。
項目を書いて、いつ、何をするか、あとは注意点など書けばよいです。
また、代行業者によっては引き継ぎ書を作ってくれるとこともあるので、参考までに載せておきます。
私物
引継ぎ書類を作成することと並行して、身の回りの整理整頓をしていきます。
まずは人の目につかないものから持ち帰ります。
例えば
・スーツなどの衣類
・ネクタイ
・化粧品
・食料品
・会社用の制服、作業着等(あれば。クリーニングに出してロッカー室に保管)
そして、持ち帰られるものは徐々に持ち帰りましょう。
その後、机周りです。
机の中にも私物が少なからずあるでしょう。
会社から貸与されたものでなければ持ち帰りましょう。
ちなみに僕は最終日に机の上を洗剤できれいに拭いてからおさらばしました。
そんな時間すらない人もいますので、出来ない場合はやらなくて良いです。
さらに、私物を送られてくるのが絶対嫌だったので、何もない状態にしました。
ですので、荷物や備品類は何も送られてきませんでした。
事前に代行業者は、私物があるかを聞いてくるかと思いますので、教えてあげましょう。
ですので前日まで忙しいと、私物の持ち帰りが出来ない可能性もありますが、心配しなくて良いです。
私物がある場合は、それを代行業者に伝えておけば、会社から送られてきます。
返却物
先ほど少し書きましたがもう少し付け加えます。
①社員証
②名刺
③筆記用具
④制服
⑤会社の鍵
⑥パソコンやスマホ・タブレットなど
⑦健康保険証(退職後に郵送)
⑧その他
人によってあるものと無いものがあります。
①~⑥、その他含め、退職届を送るときに一緒に送ります。
レターパックに収まればそれでもかまいません。
(※ちなみにレターパックは速達扱いです。確か)
もちろん事前に会社に置いていけるものは置いていきます。
書留が良いかと言われると、退職届1通くらいだったら僕はそこまでしなくていいかと思います。
一方で、新宿にあるようなめちゃめちゃでかいオフィスビルのようなところでしたら書留をお勧めします。
代行会社から事前に指示があるかもしれません。
荷物がやや多いと感じればレターパックが良いです。
番号追跡が出来ますので、もらっていないとは言われません。
(書留も番号追跡が可能です)
僕は退職届と会社の鍵、社員証もあったので、レターパックで送りました。
名刺は事前に会社に置いていきました。
⑦は退職後に郵送します(健康保険期間満了までは何かあった際に持っておくことをお勧めします)
そのほかは退職代行実施日前日までに机の中にしまうなりして、代行業者に伝えてもらいましょう。
退職後の書類
割と不安なのがこれですね。
必要書類の確認
会社は退職者が退職後に必要とされる書類を送ることが法的に決められています。
意地悪でほったらかすことは無いです。
労働基準法第22条1項
事前にほしいものを確認するため、会社がテンプレートを郵送してくる場合があります。
(もちろん、事前に代行業者から伝えてもらうことも可能です)
人によって離職票や源泉徴収票が必要でも、それ以外の書類はいらない方もいますし、そういった用紙が送られてきたら、必要事項を記載して送り返します。
ご自身の大切なことなので、嫌かと思いますがめんどくさがらずに書いて送りましょう。
①離職票
②退職証明書(転職先で必要な場合がある)
③源泉徴収票(12月末付の退職であれば、言わなくても送られてくるはずです)
④退職時の給与明細表
⑤雇用保険被保険者資格取得確認等通知書(雇用保険被資格者喪失証明書)
⑥年金手帳(入社時に提出した方のみ)
(※①・③は転職後の会社に提出が必要)
下記の参考記事の下の方に、これらの書類等がちょっとだけ詳しく書いていますので、良かったらご一読ください。
退職後から2週間程度で会社から送られてきます。
届いたら
不備が無いか確認しましょう。
まとめ
今回は退職代行サービスを使って退職する場合、引継ぎや私物をどうしたらよいかを書いてみました。
不安なことが多々あると思いますが、順を追って1つ1つつぶしていけば間違いなくうまくいくと言えます。
また、精神的に追い詰められてる人の最強お助けツールである本サービスは、弱者の強い味方です。
使うことに躊躇せず、気になることは質問すれば答えてくれますし、今後のあなたの大切な人生を手助けしてくれることは間違いないです。
本記事が退職代行サービスを使おうか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。