退職代行サービスとは

退職代行について

※本記事には広告が含まれている可能性があります。

本記事は退職代行サービス(以下、退職代行、または代行業者)についての説明ページですが、こんにちに至り本サービスは全国展開しており、その知名度もゆるぎないものです。

SNSでは頻繁に退職代行を使った、あるいは使われたという書き込みが散見され、枚挙にいとまがありません。
たまにそういった書き込み等を拝見するためにサイトに訪問してみるのですが

「今日も多くの人が使っているな」


と思いながら見物しています。

そうでなくともテレビ・新聞・雑誌等で見たことのある方もいるのではないのでしょうか。
下記の円グラフは2021年4月のデータです。

※引用元 日本労働調査組合「退職代行の認知率は63.9%「退職代行サービスに関するアンケート」結果発表」より抜粋


そして何を隠そう、僕も退職代行を使って会社を辞めたうちの一人です
(2022年1月退職)


今さら本件について説明するまでもないと言われそうですが、退職代行サービスの記事を書いている僕ですので、説明することといたしました。

ちなみに僕は弁護士法人みやびという代行業者に依頼して会社を退職しました。

退職代行とは

改めてご説明しますと「退職代行(サービス)」とは

従業員が会社に退職届を提出したが、何らかの理由により退職を受理されない、または、何らかの理由により退職する旨を言い出せない従業員に代わって「第3者」が退職に関する様々な手続きや交渉を行い、依頼者を退職させる


ことを言います。
もっと簡単に言うと

第3者が依頼者に代わって会社を退職させるサービス

ということです。

誕生の歴史と背景

今からおよそ20年ほど前の2000年初頭に『EXIT(イグジット)』社を皮切りに誕生し、その後、首都圏、関西と需要が拡大され、代行業者や利用者も全国的に増えていきました。

退職代行を扱う業者は今では100社をゆうに超えるくらいの規模になり、マスコミや新聞等でもニュースになることが頻繁にあったのですが、今となってはその知名度も全国に広がり、知っている方も多いのではないでしょうか。

このサービスを従業員が退職することを目的として使用する背景に至っては、上司の嫌がらせやパワハラが横行し

・辞めたいと言っても辞めさせてもらえない
・執拗な引き留め
・損害賠償請求をするなどの脅し


等が実際にある、または、これらのことが予想されることから、自身で退職することが非常に困難な状況のため、やむを得ず退職代行を使って退職することが主な理由です。

代行業者ってどんなところがやっているの

以下の3つに分けられます

・民間業者
・労働組合系
・弁護士


それぞれ何がどう違うかと言いますと

民間業者労働組合弁護士
費用(相場)20,000~30,000円20,000~30,000円50,000~80,000円
即日退職
休日出勤・残業交渉×
退職金交渉××(※1)〇(※2)
退職後の書類送付
裁判の代理××
※1 心配な方は退職の連絡をする際に、会社の規定通りに退職金を払うように言ってもらいましょう
※2 会社側がごねて交渉を拒んだ際に追加報酬が発生する場合もあります

弁護士が一番信頼できることが分かると思います。
損害賠償請求をされ、訴訟に発展することがあったとしても一番安心と言えるでしょうし、弁護士からの連絡となれば、会社側にも強いインパクトを与えられます。

そもそも、損害賠償請求をされる事例としては、過去に会社に損害を与えた場合などがあります。
(※金銭の横領、盗撮行為その他)

一方で、たかだか、第3者を使って退職しようとしたからと言って損害賠償請求をされることはありませんし、退職予定日の2週間前に代行業者が会社に連絡を入れることで素直に退職できます。

民法627条1項
「雇用は解約の申入の後、2週間を経過したるに因りて(よりて)終了する」

!2週間は土日祝を含みます 例:3月18日退職届提出→3月31日退職!


よって、普通に生きていれば大丈夫です。
あとは2週間前を守ることです。
(※即日退職は可能ですが、即日退職したその日から退職日までの2週間を有給に充てます。有給が無いと上記法律に違反となりますので、注意が必要です)

それより短い期間で退職することは法的にできませんが、やむを得ない事由がありましたら退職は可能です。

「民法628条」の「やむを得ない事由」に沿って、即日退職を進めていただくように交渉が可能です。

やむを得ない事由とは
・心身の障害や疾病
・両親や子供の病気の介護など


ちなみに、会社の就業規則に「1か月以上前に退職の旨を申し出る」と書かれていても、法が優先されるので、問題ありません。

※実際に僕は退職する日の1か月以上前に退職の旨を申し出ないといけなかったのですが、1か月を切ったタイミングで退職代行を使って退職しております。
残った日数は有給に充てました。

退職代行は違法ではないのか

違法ではありません。

なぜか?

利用者本人が体調不良や鬱、はたまた、もう会社に行きたくないなどの理由で、家族や友人に代理で退職届を提出してもらっても退職が可能です。

また、法的にも民法627条1項では「退職の自由」が保証されています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。


ということで、代行業者に依頼したら違法だという説明がつきません。

家族や友人に依頼するのが難しいので代行業者に依頼しただけの話です。

逆に、2週間以上前に退職の旨を申しているのにも関わらず、退職させないことの方が違法性があると言えるでしょう。

とは言え、違法の可能性も否定できないので注意点が必要です。それは

退職交渉が非弁行為にあたるかどうか


代行業者が退職の意思を伝えることは非弁行為には該当しませんが、交渉や請求は非弁行為となる可能性があります。

非弁行為とは弁護士法72条に定められており、法的に決められていることを弁護士の資格を持っていない人が金銭目的で報酬を得ることを言います。

 ・残業代の請求
 ・休日手当の請求
 ・退職金の請求

などが該当します。つまり

 代行業者「残業代や退職金を払ってあげてくださいね」

と言うことはできても、会社側がそれに対しごねて

 会社「弁護士を立ててやる!訴訟だ!」

ってなった際にその先の交渉は弁護士以外には出来ないので、

 代行業者「じゃぁ受けて立つよ!」

なんて行き過ぎると非弁行為に当たります。

ですので、弁護士以外の代行会社はこのあたりを非常に警戒しております。

いくら、弁護士監修をうたう代行業者でも、「弁護士費用は別途」などの可能性があるので注意が必要です。

改めて言いますが、費用はかかれど、弁護士さんが一番心強くて確実です。

退職代行の何が良いのか

先ほど言いましたように、退職代行とは本人の代わりに退職の交渉と手続きをしてくれることですが、実は使った依頼者にとってはメリットだらけです。

その内容は以下の図を見ると分かりやすいです。

表の上が退職代行を使わない場合。表の下が退職代行を使った場合です。

驚くのは、依頼者が徹頭徹尾、会社の人に誰一人として接触せずに事が進みます。

退職に向けて本来であれば利用者は多くのことを時間をかけて悩みますが、退職代行を使えばこの表のように、終始早送りできてしまい、精神的な負担が軽減されます。

ちなみに僕は当時、上司のパワハラやモラハラなどを茶飯事に受けていました。
いくら弁護士さんでも難しいんじゃないかと心配しておりましたが、簡単に退職出来ました
(手紙は来ましたが・・・)

失敗しないのか

この場合の失敗とは

 ・会社から連絡があった
 ・退職出来なかった

この2点かと思いますが、どの口コミサイトや書籍を読んでも、会社から連絡はあったにしても、退職出来なかった事例を見つけることはできなかったです。

どの代行業者も100%退職できるとうたっているくらいですし、失敗はしないのでしょう。

会社から本人に連絡が来る場合もありますが、基本的には連絡が来ても出ないように代行業者に言われます。
無視しろってことですね。

これは当事者と代行会社との間で、契約書や委任状を交わしているからです。

当事者の退職手続きは当行が今後窓口になるので、本人への連絡はNG


ということを書面で交わしています。
書面でなくてもLINEで連絡を取り合う会社もあります。
(※会社への退職連絡はさすがに電話です)

参考記事を作っております。
お時間がありましたら合わせてお読みください。


退職代行の手順

ここからは実際に退職代行を使う流れを紹介します。

電話・メール・LINEなどで相談

当事者は外発的には何も問題なく見えても、内発的には非常に不安定です。

慎重に、そして、出来る限り多くの情報を集めてから、ある程度業者を絞ります。
僕もそうでしたが、何社か連絡してみて、自分に合いそうなところを選びました。

代行業者の多くは電話はせずにメールやLINEを相談窓口の手段とし、そこから話を進めていきます。

言った言わないを避けるための手段としては抜け目のない効率的なやり方だと思います。

代行業者との打ち合わせ

ここからは具体的な作戦会議になります。代行業者によってヒアリング内容は変わりますが、大方、次のことを聞いてきます。

 ・ 会社名(URLもあれば記載)
 ・ 所属部署
 ・ 内容証明書送付先(会社住所)
 ・ 雇用形態(正社員、契約社員、アルバイト、業務委託のいずれか)
 ・ 勤務年数
 ・ 勤務開始日(入社日)
 ・ 勤務サイクル(月~金の10時~19時まで等)
 ・ 退職理由
 ・ 退職金の有無
 ・ 退職代行実施希望日と時間
 ・ 会社の始業時間
 ・ 会社電話番号
 ・ 会社FAX番号
 ・ 有給の日数
 ・ 健康保険証の種類(社保or国保)
 ・ 賃金の締め切りと支払日
 ・ 人事責任者、または上司の名前とその人のメールアドレス
 ・ 返却物の有無

退職後に受け取る書類(離職票等)は内容証明に記載されている可能性もあるので、代行業者によっては聞いてこない可能性もあります。

このページは退職後に受け取るべき書類についてのページではないため、それらについての言及はいたしませんが、離職票等は会社側は退職した従業員に対して送ることが義務付けられているので、代行会社によってはその旨も会社に伝えない場合もあります。

不安だったら代行業者から会社に伝えてもらいます。

労働基準法第22条1項
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

支払いと決行

代行会社への支払いの多くは振込やクレジットカードです。
LINE Payや電子マネーによる支払方法もあります。

振り込みの場合ですと支払先に入金後、明細を写メで代行会社に送ります。

代行業者が入金確認後、いよいよ本格的に代行が実施されます。

決行方法も代行業者によって違いますが

パターン① ファックスで通知書を会社に送付 → 代行業者から会社に電話
パターン② 内容証明を会社に送付      → 代行業者から会社に電話

パターン③ 電話のみ


ある程度の規模の会社ですと、送られてきた書類は人事部に回され、その後の窓口は人事部になるケースが多く、一方で、中小企業の場合ですと、窓口は社長や直属の上司になる場合もあります。

内容証明書や通知書が届くタイミングで、当事者直筆の退職届が会社に送られます。

退職届を送りたくない場合は、机の引き出しに退職届を入れておき、代行業者にそこに入っていることを伝えてもらうことも出来ます。
引継ぎ書類もある場合は、同様の手段を取ります。

パターンの場合、内容証明の郵送処理には最低でも1日かかってしまうので、パターンを実施後、即座に内容証明を送る場合もあります。
このタイミングで、利用者も退職届を郵送します。

ここからは代行業者と会社との話し合いになるので、利用者は関与しません。
(※退職後の必要書類を聞き出す目的で、会社から当事者に書面が届く場合もあります)

これをもって、退職が決定されます。

退職代行を使う人・使われた会社

ここからは退職代行を使う人の特徴と、使われる会社の傾向をお話しします。

退職代行を使う人

退職するために内容証明が会社に送られるのであれば、わざわざお金を払ってまでして代行業者に依頼しなくても、自分で内容証明を送れば済む話なのではと思われる方もいると思います。

確かにその通りですが、当事者が第3者を使ってまでして退職する理由としては、退職理由をあれこれ聞かれることや、強い引き留めに会うことを避けるためです。
その中でも特に

上司に怒られる


ブラック企業に勤めている方に多いのは、直属の上司からの叱責や引き留めが予想される場合は自分で行えないという事情があります。
あるいは、自身で退職を伝えたが、うまくいかなかったことが原因です。

メンタルの崩壊


他方、会社は様々な嫌がらせをしてくることもあります。

「今まで育ててあげたのに何をバカなことを言うんだ」
「どこに行ってもお前は通用しない」
「もう一度考え直せ」
「後任が決まってないから退職は認めない」
「損害賠償請求をするぞ」


こういったことを理由に退職を簡単に認めてくれない場合もあります。

依頼者としては円満に退職したいですし、場合によっては転職先も決まっている段階でこのような状況に遭遇し、行く手を塞(ふさ)がれてしまうものなら、もはや自分一人での解決は難しいのではないでしょうか。

現在、そしてこれから先のことを踏まえ、精神の安定をはかり、新しい生活に専念したいと考えている方もいるために、お金を払う手段をとるわけです。

使われた会社と今後

少なからず会社全体に動揺が走り、社員はバタバタするでしょう。

慌てることはどうでもよくて、むしろ、会社全体の現在の立ち位置と今後について目を向けないといけないと思うのです。
バタバタすることは特に問題ありません。

退職代行が頻繁に利用されているご時世ですし、使われるものだと思いましょう。

僕は2022年1月に退職代行を使って会社を辞めましたが、2021年の夏ごろに、別の部署のとてもお若い女性の方が弁護士さんを使って退職したということを聞きました。
(厳密に言いますと、僕は学校関係に勤めていて、中高一貫の事務職員でした。
同じ母体に幼稚園があり、その幼稚園の職員さんが弁護士さんを使って退職したのです)

当時の僕は、退職代行のことを知らなかったのですが、別の部署のことだからか僕の上司は

「どうしようもない組織だからこうなった」

どうしようもないのはお前も一緒だろと思いましたが、あたかも、自分とは関係ない他部署のことをあざ笑うかのような言い方をしていたことがとても印象に残っています。

なぜならその後、自分の部下(オレ)が同じように弁護士さんを使って退職したので、まさに青天の霹靂だったと思いますが、実はこれは

ブラック企業が淘汰される前兆


もちろん僕は退職代行を使って退職することを進んでアピールするつもりはないですが、使われたということは先ほど上司が言っていたように、組織として様々な問題があったから結果として起きてしまったということです。

参考までに退職代行を使われたことの記事も作っております。


ちなみに僕は、以前まで在職していた会社の悪いところを30個くらいは五月雨式に話せる自信があります。

劣悪な労働環境を放置し続ければ、優秀な従業員がどんどん辞めていき、しまいに会社はつぶれてしまうということが分かれば、ブラック企業も考えを改めざるを得ません。

従業員なんて所詮使い捨てだし、労働基準監督署や弁護士なんて来やしない


と舐めてかかっていると、いずれ反旗を翻す従業員が現れ、飼い犬に手をかまれる始末に見舞われるのです。


それでも何も改めずに反省すらしないブラック企業は、さらに深いどつぼから抜け出せないようなしっぺ返しを食らうことは容易に想像できます。

一方で、ブラック企業に勤めていた優秀な従業員が、今度はホワイト企業に転職し、自分の地位を築きあげ、その会社が発展すれば社会貢献に一役買うことが出来るのです。

つまり退職代行の利用は

労働環境の改善と産業全体のイノベーションを手助けするサービス


と言えます。

ゆえに、退職代行を最初に考えた方がどなたかは分かりませんが、腐乱した日本の会社組織を整えることを目的に考案したのかもしれませんね。

まとめ


数年前まで、退職は自分の口から言うことが当たり前で、ましてやお金を払ってまでしてなぜに第3者にお願いするんだろうと疑問を持たれる方が多かったと思います。

近年では様々な事情から退職代行を使って退職する人が増えており、今後もさらに増え続けると思います。

使った僕が言うのもなんですが、もちろん自分で言って退職したかったです。
ですが、それが出来ない事情があったのでやむを得ず使ったのです。

しかし、社会的な背景(退職後の転職はしずらいや一つの会社に勤めるべきなど)の崩壊や、ブラック企業からのホワイト企業への組織改善のチャンスを与えてもらっていることに気づかされるので、使われた会社が発展するための良い機会だと思います。

勝手な未来の予言ですが、退職代行を使われた会社がその後、見事に復活を遂げ、組織改革により産業全体が活性したという特集番組がNHKあたりで放送されると思います(👍)

それだけ、退職代行は今後の日本の未来を変える大きなカギを握っている重要なツールと言えるのではないかと思います。

また、本記事をお読みいただき、退職代行を実際に使ってみたいと思われた方に対し、おすすめの代行業者を3社選んだ記事を作成しております。


お勧めってあるんだと思われるかもしれませんが、代行業者によっては、依頼者が料金を支払い後、代行業者と連絡が取れなくなってしまったことや、代行実施後のサポートが無かったりなど、不信感を抱き、依頼者が不測の事態に巻き込まれた事例もあります。

当ブログで、多くの代行会社を厳選した結果、3つの業者を選んでおりますので、安心してご使用できるかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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