僕はかつて、教員ではありませんでしたが、事務職員として18年近く、私立学校に勤務しておりました。
(※在職期間:2004年4月~2021年1月)
都内の中高一貫の私立学校に勤務しておりました。
もちろん教員の方と関り、ともに仕事を進めていくことは毎日の日課でした。
この18年近くの勤務期間で感じたことを暴露することで、もしかすると教員になろうか悩んでいる方に対してお役に立てると思いましたので、本記事を作成いたしました。
とは言え、真っ向から教員になることを否定することは致しません。
教育者として生徒に夢と希望を与える仕事に携わり、小さなころから教員になって、未来ある少年少女を立派な大人に育て上げるための担い手になりたいという希望をお持ちの方もいるかと存じます。
そのような方への助言も提言いたしますので、どうかご安心してお読みください。
また、現役で教員のお仕事に携わってる方の中には
・今のままではまずい
・鬱気味で学校に行きたくない
・〇〇の保護者と話すのは嫌だ
などの、心の不安を抱えている方もいるかと思いますので、そのような方へのアドバイスも可能かと思います。
ご一読いただけると幸いです。
学校を取り巻く環境
少子化の影響をもろに受けている
このような言い方をすると教員を舐めていると思われそうで恐縮ですが、少子化の影響がどれだけ教育業界に影響を与えているかを鑑みない教員志望者、あるいは教員がどれほど多いことかと思います。
少子化くらいはニュースで見て何となく知っている。
けど、だからと言って、教員になってみないとそんなこと分からんよ。
という安易な考えはあまりにも不遜です。
少子高齢化が叫ばれる昨今、出生率がどれだけ激減していることかお分かりかと思います。
まさに生徒の取り合いですよ。
言葉は悪いですが、少々出来が悪くても、受験さえしてくれれば生徒を入学させるんです。
いませんか、あなたが教えている生徒に
なんて成績が悪いんだ
こんな子初めてだよ
成績が合格ライン以下でも入学させているのが現状です。
そう。それをあなたが知らなかっただけ。
給与に影響
僕の場合で言いますと、入社時の2004年に中高生が500人以上いましたが、退職した2021年度には約半分の290名まで減っております。
その間、以下のことが起こりました。
2006年度に全職員に対して昇給停止
2017年度に賞与が4か月から2か月に減額
どちらもすごくがっかりしましたよ。
僕は2022年1月に退職したのですが、その年の4月には250名。そして2023年4月には220名にまで生徒が減り、2024年4月には200名を切るものと思われます。
(学校の特集をしたポータルサイトで生徒数が分かりました)
中学校はおよそ7年連続1クラスという絶望的な状況です。
当然、給与に関する負の連鎖は、今後も続いていくことと思われます。
ちなみに、都内の私立学校は生徒からの授業料収入の他に、補助金収入も大きな柱です。
もらえる補助金の金額は生徒一人当たり年間およそ100万です。
よって、生徒数の増減に大きくかかわるので、生徒が少なくなれば、当然補助金収入も少なくなります。
すなわち、単に授業料の収入が減るだけではないということです。
進学実績は現在も最重要視されている
私立学校に行かせるためにはそれ相応の学力がなければ、入学させる価値が無いと考える親は圧倒的に多いです。
高いお金を払ってまでして子供を私立学校に行かせるには、安定した進学実績と充実した教育内容が子供と学校の間で大きなステークホルダーとなります。
立地が良くても偏差値が低ければ、それ相応に影響は受けます。
一方で、進学実績が良い私立学校は、たとえ立地が悪くても安定した生徒確保が出来ています。
自治体により、授業料の軽減制度のあるところであっても、やはり偏差値教育が最重要視されています。
文部科学省が実施する就学支援金や東京都による授業料軽減制度は親にとってはありがたいことですが、偏差値が低い学校はこのような制度があっても無くても影響は受けず、生徒数が少ないことには変わり有りません。
そういえば、大阪府では令和6年度から親の所得制限にかかわらず、私立学校(高校)の授業料が完全無償化になりますね。
大阪府に住んでいる親御さんはラッキーと思うかもしれませんが、僕が思うに結局のところ、偏差値の低い高校は飛躍的に生徒数が増加するとは考えにくいです。
教員になりたい理由と大きな罠
なぜ教員になりたいと思うのでしょうか?
金八先生に影響を受けている?
書いておいてなんですが、僕は金八先生の番組を見たことはありません。
しかし、僕が在職していた教員の中に、金八先生を見て教員を志したという方が多かったのです。
何となくのイメージですが
・教えることが楽しそう
・生徒との交わりが楽しそう
・生徒から尊敬されてかっこいい
・仕切って偉そうにできそう
などでしょうか。
理想や野望を持つことはとても良いことですし、何事においても自身の発展と士気の向上につながります。
しかし、残念ながら、そう甘くはありません。
休職者多発
すべからくして教員はストレスを抱えています。
99%の人たちが・・・。
会社員であれば当たり前かもしれませんが、教員こそ相当なストレスですよ。
僕は18年近く在職していましたが、教員の数はおよそ50名いるうち、知っている限り過去に5人休職しております。
もちろん退職者もいましたが、いずれも定年退職や寿退社が多かったです。
辛くてやめたという人はそれほどいませんでしたが、その5人の休職者はあろうことか1年も休職しちゃうんです。
生徒や保護者とのやり取りのストレスが主な理由で、同じ教員同士での人間関係ももちろんありますよ。
そりゃそうですよね。
言うことをきかない生徒もいれば、昨今は子供を過保護なまでに扱うあまり、教員とバチバチやりあうモンスターペアレンツもいるわけですから、休職したくなるのは当たり前です。
やり合って心の中には「やってしまった」という罪悪感が芽生えてしまったと思ったら、今度はグーグルマップで名指しで教員の批判をするんです。
自分がされたら荷物をまとめて逃亡したくなります。
もちろん診断書を提出して休職するんです。穴埋めは大変ですよ。
案外、学年主任や部長クラス、管理職は助けてくれません。
真面目な人に限ってしりぬぐいされます。
敵前逃亡というと失礼に値するので、そのような言い方はしたくないですが、休職する人はそのように見えてしかたがありません。
なぜなら、1年後に戻ってきたら副担任になるんです。
意図的に担任から外されて、本人はラクになると喜んでいます。
給料体制も他と変わらないので、したたかと言えばしたたかですが、そこまでしてでも教員にしがみつくべきでしょうか?
生活のため?
話を戻しますが、金八先生はかなり美化されている世界(みたい)です。
世間一般の教員のイメージ
世間をにぎわせているように、残業が多くて休みがとりずらいイメージがありますよね。
残業が多いは本当か
働き方改革の一環として、残業を無くすことが巷ではあふれ出ていますが、教員には絶対残業が多いイメージがあって大変そうに見えますよね。
メディアでもよく報道されています。
実際どうなんでしょうか。
結論を言いますと、人によります。
先ほども書いたと思いますが、うまくすり抜けるしたたかな人は残業はありません。
部活の顧問については、活動的でない文化部などは、顧問を持っているとしても、スポーツ系と違ってけがをするわけでもありませんから、さっさと帰る教員もいます。
名前を入れているだけってやつです。
保護者面談もそうです。
一般的に共働きですと、面談に保護者が出向くのは夕方以降です。
遅いと夜の6時とか。
6時くらいまでなら許せるはずですが、それも嫌という教員ももちろんいます。
保護者に合わせず、自分の都合に合わせて、もっと早く来てもらうように催促したりなど。
旨くやる人はいます。そういう人は部活の顧問すら持つことを遠慮し、たとえ持ったとしても、もう1名の顧問に任せたり。
あるいは担任ではなく副担任という立場の教員は、協力しようと思わず何食わぬ顔して定時上がりは当たり前の考えとして浸透しています。
ですので、実際は全員が残業ばかりのイメージはあったりなかったりです。
人により学校によります。
ずるく生きる人とそうでない人がいる
ここで大事なことは、定時に帰る人がいる一方、定時に帰らない人がいます。
しかも1時間とかそういう幅ではなく、もっと幅があります。
17時に帰る人と21時に帰る人
同じ学年でこの違いって何だろう
よく見渡すと、そこにも真面目な人が残っている、あるいは残らされている光景をよく目にしました。
ある若い教員が、定時を過ぎたころに帰ろうとすると、年上の教員の圧力があり、帰ることが出来なかったと言って愚痴を吐かれたことがあります。
しかし、定時で帰宅する教員もいます。
一般企業に比べ、学校はフラットでいい加減なんです
そう思った方が良いです。
あなたもラク組に入ったほうが良いですよ。
それでもどうしても教員になりたいのでれば
ここまで学校で教員として生きていくことについて、実際に僕が見てきた世界をお伝えしましたが、それでも教員になりたい人がいるかと思います。
どうすればよいか。
お勧めは公立
なんと言っても親方が日の丸です。お金の面で安定しています。
私立学校のトップはオーナーの場合もあれば、そうでない場合もありますが、基本的な立ち位置は冗談抜きで一般企業と同じ土俵にいます。
強く自覚しましょう。
生徒数が少なければ学校運営どころかあなたの生活に絶対に支障が出ます。
今年の8月のニュースで、全国の私立大学の半分以上が店員割れというニュースがありました。
大学でさえこのような状況であれば、中学校や高校はもっとひどいことが分かります。
その一方で公立であれば、統廃合されても転勤という形で生活は繋がります。
通勤が長くなるデメリットも考えられますが、教員をやりたいのであれば、公立一択です。
私立は本当にお先真っ暗です。
非常勤講師は超絶お勧め
運営に携わらないので、ストレスは本務教員と比べれば雲泥の差です。
給料に期待は持てませんが、身軽さが売りです。
他の学校と掛け持ちしている非常勤講師もざらにいましたよ。
はたから見ていてこの人たちは楽しそうで、みんな仲良さそうでした。
本当にストレスが無いんだと思います。
会社や学校に行きたくないって思わないんです。ありえなくないですか?
僕が教員免許を持っていたらダイブしてでも飛び込みます。
参考記事を作っております。
副業が出来る
常勤との対比
ラクヒマ自由
が詳細に書かれています。
あなたの人生を救います。
教員を辞めたい
何らかの理由で教員を辞めたいと考える方はいるかと思います。
条件があります。
40代以降は辞めるな
本記事を書いている2023年現在で考えると、40代以降であれば何とか頑張るべきです。
公立でも私立でも、定年まで働けばそれなりに退職金がもらえます。
ですが、それより下の世代で私立学校に通う教員であれば
公立に転職しましょう。
今すぐです。
生活面が本当に苦しくなります。
目に見えてそれが分かる時代がやってきます。
超進学校の学校で広報活動をしなくても毎年多くの生徒が入るような学校でない限りは、公立に転職することをお勧めします。
少子化の勢いは津波の如く襲ってきますよ。
僕の予想ですが
私立中学校であれば2032年以降
私立高校であれば2035年以降
が細木数子風に言うなら大殺界です。
理由はコロナ渦で出生率が特に激減しているので、その子たちが大きくなって中学生になるのが2032年です。
高校生は2035年。
暗黒時代です。これまでに50歳を下る年齢でしたら本当にいますぐに考えましょう。
そうでなくとも、荒波は押し寄せています。毎年出生率が下がっていますから。
記事の上に示したグラフをもう一度見ていただいた方が良いかと思います。
その子たちが大きくなって中学生、高校生になった時の人数は想像がつくことでしょう。
それにも関わらず、教員になりたいと考えている人が後を絶ちません。
ちなみに僕は先ほど申したように学校事務員でした。
事務員はさらに論外です笑
なぜなら、教員免許を持っていないから。いわゆる特技が無いんです。
転職に困るんですよ。
にもかかわらず
学校って安定してるし、しかも事務なんて定時で帰れて休日もくっそあるやろ(^▽^)/
このような考えの人が多いです。
ですのでこんな浅はか考えの人たちの集まりだから、学校事務員はポンコツだらけです(僕もそうでした)
自販機業者や給食業者、旅行会社は学校ってたくさん生徒がいるというイメージで契約したがりますが、学校によっては危険ですよ。
辞めずらいのであれば退職代行で退職しよう
仕事はしんどいし、未来も不安だ。もう退職したいよ。
だけど、管理職や同じ学年の教員に迷惑をかけてしまう
分かります。僕も同じ心境でした。
であれば、僕も使ったことのある退職代行を使って退職しましょう。
今は5人に1人が退職代行を使って退職する時代です。
何も恥じらいはありません。
また、当ブログでは退職代行に関する記事も右側のカテゴリーに記載してありますので、気になる方はぜひ見てください。
退職に向けたヒントがたくさん書かれています。
ちなみに僕は弁護士さんに依頼して、学校を退職しました。
少々費用は掛かりますが、教員職についているのであれば、5万円程度の支出は大きな痛手ではないはずです。
また、僕は2022年1月に退職代行サービスを使って学校を退職していますので、その時の記事も合わせてご覧ください。
最後に
今回は私立学校の元職員として勤務していた僕の経験をもとに、教員になりたい、あるいは現在教員として勤務している方に向けて記事を作成いたしました。
少子化の影響がなんと言っても大きいですが、公立と私立ではこの先に起こることが違ってきます。
また、いずれにしても、学校教員のイメージや環境というものは想像以上に過酷です。
休職する人もいることも記載しましたが、今後の未来を考えた上で、教員はやめたほうが良いという見解の記事を書かせていただきました。
本記事を参考に、お読みいただいた方たちの参考に慣れれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。